ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

BG-9海産天然物epiliolideの全合成研究○虎前祐里佳、吉村智之、松尾淳一(金沢大院医薬保)【背景・目的】Epiliolide (1)はサンゴに対するアレロパシー活性を持つ化合物であり、2011OH年にHeyらによって藻類(紅藻Galaxaura filamentosa)の合成する化合物のO中より同定された(figure 1)。このようなサンゴに対するアレロパシー活性をHO OMe持つ化合物の報告は数が少なく、サンゴ白化現象解明の強力なツールになるepiliolide (1) (fig. 1)可能性がある。また、この化合物は六員環と五員環がtransで縮環しており、小さい分子でありながら三連続四置換炭素を持っており合成化学的にも大変興味深い構造である。そこで本化合物の全合成を目指し研究を行った。【方法】1,3-propanediol (3)から合成したアルデヒドに対し、不斉アルドール反応または不斉アリル化を鍵反応としてC(6)位の二級水酸基をエナンチオ選択的に構築する。この二級水酸基の不斉を基に分子内ピナコールカップリングまたは分子内ベンゾイン縮合によって所望の立体化学を有する六員環を構築する。次いで、ラクトン化によってtrans縮環した目的化合物の合成を完了する(Scheme 1)。(Scheme 1)O2OBn15OTBSO6R2R = H or MeNHC-catalyzedintramolecular cyclization(R = H)intramolecularpinacol coupling(R = Me)TBSOTBSO45OHOOHOHMeOBnOBn【結果】1,3-Propanediol (3)より7工程で合成したアルコール6に対し、イリジウム触媒を用いるアリル化反応1)を検討した(Scheme 2, eq. 1)。その結果、所望のアリルアルコール7が10%で得られた。一方、別途合成したアルデヒド8をL-proline触媒下アセトン中で反応を行ったところ所望のアルドール体9が収率11%で得られることが分かった(eq. 2)。現在、両反応とも収率の向上と光学純度の決定を目指して研究を行っている。(Scheme 2)HO OH3OMOMOHBnO6PhO OCHO8[Ir(cod)Cl] 2 (2.5 mol%)(S)-BINAP (5 mol%)Cs 2 CO 3 (20 mol%)m-NO 2 BzOH (10 mol%)allyl acetateL-prolineacetoneOMOMBnO7 10%PhO O*OH9 11%*OHO(eq. 2)(eq. 1)reference: 1) Krishce, M. J. et al. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 14891-14899.