ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

1-4安全キャビネット日常清掃作業の評価法の検討○須田真弘、高橋喜統、多賀允俊、荒井涼子、鷹見沙八佳、西川美香子、本吉ゆかり、竹内紗奈子、山本康人、丹羽修金沢医科大学病院薬剤部【目的】抗がん薬曝露対策として安全キャビネット(以下、BSC)内の日常清掃作業は重要である。抗がん薬曝露の環境調査法の1つとしてサンプリングシート法が知られており、日常清掃作業下の評価を当院でも行った。しかし、サンプリングシートはBSCの材質とは異なる。そこで、一般的なBSCの材質であるステンレス鋼材板(以下、SUS板)とサンプリングシートでの抗がん薬の清掃効率を比較し、サンプリングシート法が評価法として適切かを検討した。【方法】コントロ―ル用と試験用それぞれにサンプリングシート10 cm×10 cmとSUS板10 cm×10 cmを用意し、滴下者(A、B)が5-FU注(50 mg/mL)を50μL(2.5×10 6ng)ずつ滴下した。コントロール用はそれぞれ3枚ずつ拭き取らずに回収した。拭き取り作業をする者を2名(C、D)に固定し、日常清掃手順で試験用のSUS板とサンプリングシートを8枚ずつ拭き取って回収した。拭き取りの際に、明らかに不備があったものは解析から除外した。なお、BSCの日常清掃は、抗がん薬調製マニュアル第3版(日本病院薬剤師会)に基づき、不織布を用いた水拭き2回と消毒用エタノールを用いた清拭1回とした。作業はすべてBSCクラスIIA2内で行った。回収したサンプルの定量試験はシオノギ分析センター(株)に委託した。2群間比較にはStudent’s t testを用い、有意水準は0.05とした。【結果】コントロール用の残存量の平均値(標準偏差)は、SUS板が2.11×10 6 ng(1.42×10 5 ng)、サンプリングシートが2.19×10 6 ng(1.36×10 5 ng)で有意な差はなかった。試験用の残存量の平均値(標準偏差)は、SUS板(n=6)が542 ng(701 ng)、サンプリングシート(n=8)が497 ng(336 ng)で有意な差はなかった。【考察】サンプリングシートはSUS板と比較し拭き取り後の平均残存量に有意な差はなく、バラつきも小さかったことから、抗がん薬清掃作業の評価方法としてサンプリングシートを適用することは有用であると考えられる。