ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

1-7小児のステロイド服薬拒否に関する医療者対象のアンケート調査○喜多朝菜1、矢野涼子1、熊木真理子1、齋藤讓一1、間瀬広樹1、秋山哲平溝神文博2、太田和秀31金沢医療センター薬剤部、2国立長寿医療研究センター薬剤部、3金沢医療センター小児科1、【目的】ステロイドの内服製剤であるプレドニゾロンの錠剤や散剤は苦味のため服用がしづらく、小児においては服薬拒否(以下、拒薬と略す)が問題となる。我々の調査で、当院では単シロップを使用する、剤形を変更するなどの対策が講じられていることが判明したが、これらの対策の中でどの方法が最も有用であるかについては詳細な検討は行われていない。今回、医療者へのアンケートにより、どのような拒薬対策が行われており、有用であるかを調査した。【方法・対象】金沢医療センターに勤務している小児科医師8人、小児科病棟勤務看護師42人及び薬剤師24人、ならびに「かがやき薬薬連携研究会」に参加している薬剤師34人の計108人に(1)小児科医療の経験年数、(2)小児患者のステロイド拒薬事例の経験の有無、(3)苦味によるステロイド拒薬があった場合に保護者や患児に勧めた対策で、成功したものと失敗したものについて、記名方式によるアンケート調査を実施した。アンケート調査期間は2016年5月から11月とした。【結果】アンケートは108人中66人より回収し、回収率は61.1%であった。拒薬の経験は66人中33人と半数が経験し、拒薬の理由は苦味によるものが31人と最も多かった。苦味への対策は、アイスクリーム25人、単シロップ24人、ゼリー12人、チョコクリーム12人の順に多く、アイスクリームで22人、チョコクリームで11人と成功している割合が高かった。【考察】拒薬の理由は苦味であると考える医療者が多く、苦味を隠すために甘いものに混ぜる対策が多く見られた。拒薬は半数の医療者が経験しており、臨床上重要な問題である。薬剤師が介入し、患児に合わせた対策を行うことで拒薬を減らすことができると考える。この結果を、患児や保護者への指導の参考としていきたい。また、成功している医療者が多かった対策であるアイスクリームなどを用いた健常成人を対象とした味覚試験の実施を検討したい。