ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

2-3当院における抗てんかん薬の使用状況調査〇藤本直也、大門美和、笹山潔医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院薬剤部【背景・目的】てんかんとは慢性の脳の病気であり、大脳の神経細胞が過剰に興奮するために、脳の症状(発作)が反復性に起こるものである。発作型は大きく分けて部分発作と全般発作に分類され、診断が抗てんかん薬の選択に重要な役割を果たす。てんかんの薬物治療はフェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸などの従来薬が中心であったが、近年レベチラセタム、ラモトリギンなどの新規抗てんかん薬が上市され、ここ最近ではペランパネル、ラコサミドといった新規作用機序を持つ薬剤も加わったことで治療の選択肢がますます広がった。そこで今回、当院における抗てんかん薬の使用状況を調査した。【方法】2017年1月から同年6月までの期間に脳神経外科、神経内科においててんかんと診断された患者(男性474名、女性361名の計835名)を対象に使用薬剤と発作型について電子カルテを用いて後ろ向きに調査した。【結果】発作型の分類は部分発作553名、全般発作245名、部分・全般発作併存1名、不明36名であった。処方薬はカルバマゼピンが最も多く(47.3%)、次いでバルプロ酸(36.4%)、レベチラセタム(32.6%)、ラモトリギン(8.7%)、フェニトイン(5.7%)であった。また、昨年発売となったペランパネル、ラコサミドもそれぞれ1.7%、1.3%使用されていた。また、部分発作ではカルバマゼピンに次いでレベチラセタム、全般発作ではバルプロ酸に次いでラモトリギンが使用されていた。【考察】従来薬は副作用、薬物相互作用、血中濃度のモニタリングが必要なことが問題となる。新規抗てんかん薬は新しい作用機序を有しており、副作用や薬物相互作用が少ない。そのことから、本来は部分発作において第二選択薬として位置づけられるフェニトインよりもレベチラセタムやラモトリギンが使用されていたと思われる。今後も抗てんかん薬の使用状況調査を継続していきたい。