ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

2-7氷見僻地巡回診療における病院薬剤師の関わり第2報○前田志帆、中川武史、松森智士、二上佳世子、大越美根子、高野由美子、小堀勝金沢医科大学氷見市民病院薬剤部【目的】僻地医療拠点病院である金沢医科大学氷見市民病院では市内の僻地巡回診療を医師、看護師、事務員の3名チームで通常2~3週に1回の頻度で行っている。平成27年度から当院薬剤師が3か月に1度の頻度でチームに加わり、患者の服薬アドヒアランス向上や薬物療法適正化に取り組んだ活動報告を昨年の第55回全国自治体病院学会で発表した。僻地巡回診療への薬剤師随行を開始してから3年目となり、今回、僻地巡回診療の現状を再度調査し、薬物療法への影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象:僻地巡回診療の患者調査期間:平成27年4月1日~平成28年5月31日の14か月に引き続き平成28年6月1日~平成29年7月31日の14か月調査項目:以下の内容を後ろ向きに調査した。1薬剤師の初回面談時点における、全患者の基本情報(年齢、性別、同居の家族構成、服薬管理方法)の変化2薬学的問題点の変化【結果】前回の調査と比較して患者数は前回から4名減って43名であった(5名減、1名追加)。患者数の減少の理由としては高齢化による入院や施設入所であった。平均年齢83.2歳、男女比8:35であった。生活形態は独居19名、配偶者と2人暮らしは7名で本人管理が83.7%の39名であった。薬学的な問題点のある人は63.8%から44.2%に減少した。問題点の内訳としては服薬ノンアドヒアランス16件、副作用2件、薬効不十分2件、その他1件であった。僻地医療において薬薬連携による患者服薬指導体制は、まだ不十分であるが、今回、訪問看護師との連携といった貴重な症例を経験した。【考察】今回の調査で薬学的問題点がある患者の割合が減少したのは、これまでに薬剤師が継続的に患者の問題に関わってきた成果だと考えられる。一方で、介入しても改善が十分得られなかった症例もあった。今年度の取り組みとして、保険薬局薬剤師の僻地診療への随行を始めており、今後さらに保険薬局やケアマネージャーとの連携も進めていくことが課題である。