ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

3-2調剤前処方監査における経済効果○野村真里、山田憲和、藤原洋介、中村智子、吉川知世、吉田明弘、吉村直人福井厚生病院【目的】当院では、安全性の確保や処方の妥当性確認の為に、調剤前に処方監査を行い、必要に応じて疑義照会を行った後に調剤・払い出しを行っている。この徹底した処方監査の疑義照会の経済効果について検討を行った。【方法】2017年1月~3月の疑義照会集計を元に、内服・外用、注射に分けて計算を行った。疑義照会の原因の内訳の分類は薬学的分類(疾患禁忌、相互作用、副作用予防、副作用重篤化回避、配合変化、治療の最適化、患者の訴え)、形式的分類(重複、カルテ記事・指示内容との整合性、薬剤の用法・用量・物性)、その他の3項目とした。【結果】内服・外用については、処方箋枚数7735枚のうち、適応・投与量・検査値確認数491件、疑義照会件数130件、疑義照会率1.68%、処方変更率80.76%、薬剤費7,125.8円の減額となった。増額原因の内訳は、形式的分類(36%.8,808円)、薬学的分類(35%.8,636円)、その他(30%.7,318円)。減額原因の内訳は、順に形式的分類(64%.-20,267円)、薬学的分類(27%.-8,675円)、その他(9%/-2,855円)だった。注射については、処方箋枚数4614枚のうち、適応・投与量・検査値確認数257件、疑義照会件数53件、疑義照会率1.14%、処方変更率86.79%、薬剤費26,835円の増額となった。増額原因の内訳は順に形式的分類(63%,30,105円)薬学的分類(37%.17,915円)その他(0%.0円)。減額原因の内訳は、薬学的分類(66%.-14,134円)、形式的分類(33%.-7,051円)、その他(0%.0円)。【考察】内服・外用、注射どちらも形式的分類の「カルテ記事・指示内容との整合性」で増額となっている。これは本来必要であった追加処方薬が高額であったためと推察される。内服では増額項目として薬学的分類の「患者の訴え」として、癌患者による疼痛の訴えが多かった。また、減額では「薬剤の用法・用量・物性」の精神科薬の増量間隔、最大用量超えの減薬等が挙げられる。注射では増額項目として指示漏れの薬剤があった一方、減額では薬学的な治療の最適化により減額となっていた。調剤前疑義照会を徹底することにより安全性の確保や処方の妥当性確認だけでなく、薬剤費を減額できる可能性があることが示唆された。これからも引き続き、処方監査を行い薬物療法へ積極的に介入していきたい。