ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

3-7数量管理システムを用いた医薬品発注の自動化による効果〇山本大、五十嵐敏明、松嶋あづさ、川道美里、高橋翠、松井友里恵、重森美奈、上谷幸男、塚本仁、後藤伸之福井大学医学部附属病院薬剤部【目的】福井大学医学部附属病院(以下、当院)では、携帯情報端末(以下、PDA)を用いた医薬品照合・数量管理システムによって、薬剤の受け払いの記録、在庫数の把握、取り揃え間違いの防止を行っている。当院では、これまで現在庫数を目視で確認しながら発注業務を行っていたが、採用医薬品が多いため多大な労力と時間を要していた。そこで、発注業務の負担軽減を目的として、医薬品照合・数量管理システムを用いた発注の自動化を試み、その効果について検証したので報告する。【方法】当院採用薬2,196品目のうち、1,409品目(内外用薬:825品目、注射薬:584品目)を自動発注の対象とした。Microsoft Accessを利用し、在庫数が予め設定した発注点を下回った場合に発注リストが出力されるようなレポート機能を作成し、1日1回出力した。自動化導入の前後5日間の発注にかかる所要時間、在庫不足による緊急発注件数を調査し比較を行った。【結果】1日あたりの内外用薬の発注所要時間は導入前52±4分で、導入後は13±1分だった。注射薬の発注所要時間は導入前40±10分で、導入後は26±12分だった。また1日あたりの緊急発注件数は導入前8±6件で、導入後は6±3件だった。【考察】医薬品発注の自動化によって、大幅に発注所要時間は短縮した。推定在庫数をもとにした自動発注機能はこれまでにも報告があるが、一般的な薬品管理システムでは、処方オーダーに連動して推定在庫が算出されるため、処方の変更や中止によって実在庫数と推定在庫数のずれが生じることがあり、推定在庫の補正処理が必要になるという欠点があった。当院では、医薬品照合機能を備えたPDAを用いることで実在庫数と推定在庫数が一致していることを調剤時に毎回目視で確認しており、処方の変更や中止の場合はその都度PDAで追加処理を行っている。一方、緊急発注件数は導入前後で差はなく、目視と同等以上の質が担保できたと考える。医薬品照合・数量管理システムを用いた医薬品発注の自動化は発注業務の負担軽減に有効なツールである。