ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

連続反応を基盤とした含窒素複素環の新規構築法の開発杉本健士(富山大院薬・薬品製造学研究室)【緒言】含窒素複素環は、様々な生物活性化合物の母核として重要である。しかし、含窒素複素環の構築には、窒素原子の求核性の制御を目的とした保護?脱保護の工程を含む多段階の変換を伴い、合成経路の簡素化を妨げてきた。そこで、これらの短工程構築を容易とするべく、新規な連続反応の開発を目的に研究を行い、種々の含窒素複素環化合物の効率的合成法を開拓することに成功した。N RNRdiazepinesNpyrrolizidinesNpyrroloisoquinolines【ジアゼピン】ベンゾジアゼピン類は、種々の医薬品の母核として広く知られているが、単核のジアゼピン類もプロゲストロン受容体アンタゴニストとして注目されており、これについて、連続反応による構築を試みた。種々のシクロブテノンに対して?78°Cにてリチオジアゾ酢酸エチルを作用させると、オキシアニオン効果によって加速された連続的な4π-8π電子環状反応を経由して、1,2-ジアゼピンを収率良く得られることを見いだした。また、それぞれの異性体を選択的に得る方法も同時に見出している1。R 1R 2OLiN 2COOEt?78°CR 1R 2OCOOEtN 24π-ring openingR 1R 2OCOOEtNN8π-ring closureR 1R 2HONNCOOEt+R 1R 21,2-diazepines【ピロリジジン・ピロロイソキノリン】ピロリジジン骨格は、抗がん活性アルカロイドや解熱鎮痛剤の母核として見られ、置換様式によって多彩な生物活性を示す。そこで多様なピロリジジン合成法の開拓を目指し、金触媒による多成分連結型反応を計画し、検討を行った。その結果、ビニル金錯体のprotodeaurationを契機としたアゾメチンイリドの形成を経て、イミノエステル、アセチレン、マレイミドの三成分を集約したピロリジジンを得ることに成功した。本法で経由する中間体が不安定であったため、これを単離することなくワンポットで行うことが鍵であり、多置換ピロリジジンを効率的に得る優れた手法の開発に成功した2。R 2 R 3CF 3 CH 2 O 2 COONR 4ONHR 2Au +NR 1R 1R 3R 2 Au +R 3aromatizationR 2 AuR 2 HH? Au +CF N R 33 CH 2 O 2 CCF N R 33 CH 2 O 2 CprotodeaurationH R 1 with acidic protonH R 1OHONR 4OvinylgoldNR 2R 1R 3substituted pyrrolizidineTf 2 ObaseOTfONR 4ONR 2R 1azomethine ylideR 3 MePd(0)BF 3 KONR 4 O[3+2]-cycloadditionMeONR 4ONCF 3 CH 2 OR 2R 1OO R 2NN R 1R 4OunstableR 3MeOR 3COOEtNHN? CF 3 CH 2 OHenaminecyclizationNHmyrmicarin 215Bまた、本法によるアゾメチンイリドの形成は、6-exo-dig環化を経ても可能であり、ピロロイソキノリン骨格の構築にも有用であることを示した3。不斉補助基を導入した原料では、完全な不斉誘起のもと成績体を与えることも見出した。MeR 2R 1 O 2 CH NHR 3dipolarophileAu +R 2 HR 1 O 2 C NHazomethine ylide[3+2]R 2R 1 O 2 CNR 3Hup to 98% yieldXcO Me2 C*O N**N * HPhOsole isomer[Xc = (?)-8-phenylmenthyl]References1) K. Sugimoto, R. Hayashi, H. Nemoto, N. Toyooka, Y. Matsuya, Org. Lett. 2012, 14, 3510?3513. 2) K. Sugimoto, N.Yamamoto, D. Tominaga, Y. Matsuya, Org. Lett. 2015, 17, 1320?1323. 3) K. Sugimoto, Y. Hoshiba, K. Tsuge, Y. Matsuya,Synthesis 2016, 48, 1855?1864.