ブックタイトル第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

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概要

第129回例会プログラム集 - 日本薬学会北陸支部

BS-8Rh(II)触媒を用いる?-ジアゾ-?-ケトエステルの6員環オキソニウムイリド形成―[2,3]-シグマトロピー転位反応の開発○高橋果菜恵,陣内比加利,藤原朋也,南部寿則,矢倉隆之(富山大院薬)【背景・目的】当研究室では,Rh(II)触媒反応を用いる5-アリルオキシ-2-ジアゾ-3-ケトエステルの5員環オキソニウムイリド形成―[2,3]-シグマトロピー転位反応において,2位アリル基と5位アルキル基がtrans配置の3-オキソテトラヒドロフランが高収率かつ高立体選択的に得られることを見出し,1)それを用いるシナトリン2)および(+)-タニコリド3)の全合成を達成した。一方,?-ジアゾ-?-ケトエステルの6員環オキソニウムイリド形成―[2,3]-転位反応はほとんど検討例がなく,無置換体の反応において低収率で反応が進行することが報告されているだけあった。そこで,Rh(II)触媒6員環オキソニウムイリド形成―[2,3]-転位反応の収率向上,立体選択性発現を目的とする。【方法・結果】6位に置換基Rをもつ?-ジアゾ-?-ケトエステル1と種々のRh(II)触媒の反応を検討した。その結果,Rh 2 (S-PTTL) 4を用いると,6員環オキソニウムイリド2の形成に続き[2,3]-シグマトロピー転位反応が進行し,3-オキソテトラヒドロピラン3が高ジアステレオ選択的に得られることを見出した。酸素原子に隣接する反応性の高い6位のC-H結合への挿入反応が競合すると考えられたが,C-H挿入反応生成物4は得られず,本反応が高い化学選択性をもつことがわかった。次に,光学活性な(S)-1bを用いてオキソニウムイリド形成―[2,3]-転位反応を検討した。その結果,Rh 2 (R-PTTL) 4を用いると,非常に高いジアステレオ選択性および高収率で3bが得られた。また,3bから数工程の変換を経て,(+)-タニコリドの合成を達成した。1) Yakura T., Matsui K., Matsuzaka T., Yamashita M., Heterocycles, 79, 353?358 (2009).2) Yakura T., Ozono A., Matsui K., Yamashita M., Fujiwara T., Synlett, 24, 65?68 (2013).3) Nambu H., Jinnouchi H., Fujiwara T., Yakura T., Synlett, 27, 1106?1109 (2016).