健康豆知識
家庭での食中毒にご注意を!
【家庭でできる食中毒予防】
新型コロナウイルス感染症が流行し、ご家庭で食事をとる機会が増えています。食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。食中毒を予防するために家庭での食事作りのポイントをチェックしてみましょう。
厚生労働省は、食中毒予防の3原則として、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」を挙げ、家庭でできる食中毒予防のポイントを6つ示しています。
ポイント | 具体例 | ||
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食品の購入 | ・消費期限などの表示をチェック! ・肉・魚はそれぞれ分けて包む(できれば保冷剤(氷)などと一緒に) ・寄り道しないでまっすぐ帰ろう1) | ||
家庭での保存 | ・帰ったらすぐ冷蔵庫へ(入れるのは7割程度に)! ・冷蔵庫は10℃以下に維持、冷凍庫は-15℃以下に維持 ・肉・魚は汁がもれないように包んで保存 ・停電中に庫内温度に影響を与える扉の開閉は控えましょう | ||
下準備 | ・こまめに手を洗う2) ・タオルやふきんは清潔なものに交換 ・井戸水を使っていたら水質に注意 ・冷凍食品の解凍は冷蔵庫で3) ・野菜もよく洗う4) ・肉・魚は生で食べるものから離す5) ・包丁やまな板は肉・魚を切ったら洗って熱湯をかけておく6) ・包丁などの器具、ふきんは洗って消毒7) ・ゴミはこまめに捨てる | ||
調理 | ・台所は清潔に ・作業前に手を洗う ・加熱は十分に(目安は中心部分の温度が75℃で1分間以上)8) ・電子レンジを使うときは均一に加熱されるようにする ・調理を途中で止めたら食品は冷蔵庫へ | ||
食事 | ・盛り付けは清潔な器具、食器を使う ・食事の前に手を洗う ・長時間室温に放置しない | ||
残った食品 | ・作業前に手を洗う ・手洗い後、清潔な器具、容器で保存 ・早く冷えるように小分けにする ・温めなおすときは十分に加熱する(目安は75℃以上、みそ汁やスープは沸騰するまで) ・時間が経ち過ぎたりちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てる |
表の1~8)の補足を以下に示します。
1) 生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう
2) 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、また、手を洗いましょう。途中で動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
3) 冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。解凍した食品をやっぱり使わないからといって、冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります
4) ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう
5) 肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう
6) 生の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です
7) 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。ふきんのよごれがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです
8) 温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。目安は、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です。
最近、テイクアウトやデリバリーを利用する方も増えています。テイクアウトやデリバリーでは調理してから食べるまでの時間が長く、気温の高いときは、食中毒のリスクが高まります。購入した食品は速やかに食べるようにしましょう。
上記の内容は、厚生労働省の食中毒のページに詳しく記載されています。是非ご覧ください。これらのポイントをきちんと守り、家庭から食中毒をなくしましょう。それでも、もしお腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったりしたら、かかりつけの医師・薬剤師に相談しましょう。
2021年10月
担当 慶應義塾大学 松元 一明