支部主催の講演会

特別講演会　遺伝子改変の手法を駆使したマラリアワクチンの創出

演題名

遺伝子改変の手法を駆使したマラリアワクチンの創出

講演者

宮崎 真也 Shinya Miyazaki, Ph.D.

所 属

長崎大学　熱帯医学研究所　細胞環境構築学分野　助教

日　時

令和2年9月10日（木）16時〜17時

対　象

どなたでも参加いただけます

会場１

長崎国際大学薬学部　1階会議室

会場２

オンライン開催（YouTube Live 限定URL配信）

要　旨

マラリアは熱帯地域で蚊により媒介され、甚大な数の感染者・死者を出す感染症である。その対策のために新規の作用機序を有する薬剤や実用可能なワクチンが求められている。特に、ヒトにマラリアを引き起こすいくつかのマラリア原虫の中でも、最も致死性が高い熱帯熱マラリア原虫への対策が急務である。しかし、近年の薬剤耐性原虫の出現やワクチン開発の困難さがマラリアの制御を阻んでいる。特に、マラリアワクチンは未だにコスト・予防効果の観点から実用化には程遠く、さらなる改良が必要である。
　今回の発表では、我々がライデン大学メディカルセンター、マラリアグループで行ってきたマラリアワクチンに関する基礎研究の成果を紹介する。我々は、CRISPR/Cas９を用いたゲノム編集により、ワクチン開発へとつながる様々な遺伝子改変原虫を作出した。ヒト・蚊の体内という二種類の宿主環境中の熱帯熱マラリア原虫を検出・可視化するためのレポーターラインを創出した (Miyazaki S et al. 参考文献)。本レポーターラインは、有効なマラリアワクチンの抗原を同定するための新たなツールとして期待される。他にも、新規のワクチン抗原同定のための方法論や、弱毒化することによる生ワクチンの開発についても本セミナーで議論する予定である。

参考文献

Miyazaki S*, Yang ASP, Geurten FJA, Marin-Mogollon C, Miyazaki Y, Imai T, Kolli SK, Ramesar J, Chevalley-Maurel S, van Gemert GJ, van Waardenburg YM, Franke-Fayard B, Hill AVS, Sauerwein RW, Janse CJ*, Khan SM.
Generation of novel Plasmodium falciparum NF135 and NF54 lines expressing fluorescent reporter proteins under the control of strong and constitutive promoters. Front Cell Infect Microbiol. Jun 10;10:270. (2020) doi: 10.3389/fcimb.2020.00270. eCollection 2020.　(*corresponding author)

申込締切

令和2年9月9日（水）17時

参加費

不要

主　催

日本薬学会九州山口支部

問合せ先

長崎国際大学 薬学部 細胞生物薬学研究室
黒川 健児・石原 知明

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当日の様子（PDF）