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 この紙面をお借りして日本薬学会関東支部・支部長としての所信を述べさせていただきたいと存じます。

 先ず申し上げたいことは、我が国の生命科学を永続的に発展させる組織体として、日本薬学会が担っている責任は極めて大きいということです。最近では、日本国政府も我が国発の創薬に注力するとの方針を打ち出しました。さらに大学での薬学教育期間が4年制から6年制に移行したことなどを考え合わせますと、我が国の薬学教育ならびに薬学研究自体が大きな変革期に差し掛かっていると認識せざるを得ません。  

 このような激動する社会環境におきましては、日本薬学会として何を目指し、どのような具体的な行動に移すかによって、我が国の生命科学の姿はいかようにでも変わると言っても過言でもなかろうと私は考えております。さらに国際化(グローバル化)という潮流の真只中におかれている我が国を考えた場合、欧米先進国を志向した日本の姿、あるいはアジア諸国における日本の役割などいくつかの異なった視点が自ずと浮かびあがって参ります。

 これら何れの視点に立とうが私が大切だと思うことは、日本国としての独創性・独自性をいかにして世界諸国に向かって発信するかにあるということです。とくに薬学研究は多種多様の科学基盤に立脚した複合科学に属します。異なった学問間の情報交換も必須となります。したがいまして、他部門間での交流を積極的に図り、日本薬学会として我が国の薬学研究の発展のために大いに貢献していきたいと考えております。

 さて、130年という長い歴史(明治13年設立)を刻んでいる日本薬学会には本部での活動のほかに八つの支部があります。そのなかで関東支部は薬学会員のおよそ半数を擁する大きな組織体であり、会員の構成を見ますと製薬産業の企業人、大学ならびに各種研究所などの研究員、官公庁、病院および薬局などの医療従事者などなどまことに多岐に渡っております。

 関東支部といたしましては、これらすべての会員の方々に満足していただけるような活動を展開することは至難の業であると理解しておりますものの、それぞれの会合の対象を絞り込むなど工夫を凝らしながら会合を企画、立案、実行する所存でおります。とくに本年度は大学と企業研究者の交流を図る会合、さらに若手研究者の活性化を狙った会合などを積極的に開催していきたいと考えております。若手研究者には関東支部として奨励賞を授与する計画でおります。

 さらに、いままで関東支部が一貫して開催して参りました一般市民を対象とした会合を本年度も引き続き開催したいと考えております。このような活動を通し市民の皆様方に病気のこと、医薬品のことなどを少しでもご理解いただけたらと考えております。

 皆様方におかれましては、以上のような関東支部の活動に対しまして、ご理解とご支援を賜りたくここにお願い申し上げ、日本薬学会関東支部・支部長としての所信といたしたく存じます。

 
日本薬学会関東支部
支部長 小出 徹