新型コロナウイルス感染症の拡大から、今年度の第64回日本薬学会関東支部大会[2020年9月19日(土): 武蔵野大学・有明キャンパスにて]を例年と同様に学会会場(対面形式)において開催することの判断は、現時点では容易ではありません。関東支部大会は、関東地区の大学、企業・公的機関、病院・薬局に所属する学部・大学院学生を含めた若手の研究発表と参加者の交流を主たる目的に、毎年開催される重要な行事の一つであり、延期や中止によって発表と交流の機会を失うことは大きな問題です。
そこで本支部大会は、他の学術協会でも試行している「インターネットを利用したオンライン学会」に切り替えての開催を目指し、これまでとは少し異なる方法で準備を進めることにしました。参加登録・抄録提出は、これまで通りの「ウエブ受け付け」で進めますが、支部企画・若手シンポジウムや関東支部奨励賞受賞講演、ランチョンセミナーなどの口頭発表やポスター発表は、「インターネットによる配信」を予定しています。会費を徴収する懇親会は設定しませんが、対面形式を避けた状況下でも本支部大会での発表と交流が継続できるように準備しますので、多く皆さんの参加と演題の登録をお願い致します。
今年度の支部大会は、『令和新時代の薬学アイデンティティーを考える』をテーマにとしました。これまで日本の薬学は、創薬・基礎生命科学と医療の分野で研究と教育に貢献してきましたが、近年の科学技術の進歩によるAIの進出、創薬・医療業界のグローバル化、患者のための薬局ビジョンとしての新しい認定薬局導入に見られる医療制度の改革など、薬学を取り巻く状況は大きく変化しつつあります。さらに、今般の新型感染症蔓延への対策に向けて、薬学分野の研究者や薬剤師が果たす役割は益々重要となっています。例年のような学会会場での口頭およびポスターによる発表ではありませんが、オンライン方式での学会開催を体験して頂き、新たな学会の開催形態に向けて課題の共有と発展につながれば幸いです。インターネットで結ばれた皆さんが、本関東支部大会での成果発表や熱い討論を通して、令和新時代の薬学アイデンティティーを考える場となり、薬学および関連分野の研究と教育の進歩・発展に大きく貢献することを期待しております。
本支部大会の詳細につきましては、今後関東支部大会ホームページやメールにてお知らせしますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。