薬剤師向け研修講演会
2022年1月9日(日)に「薬剤師向け研修講演会」を開催致しました。今回のテーマは「がん治療における薬剤師の役割−基礎から地域医療連携まで−」として、がん患者に対する薬局での薬学的管理、ならびに病院薬剤師との連携に注目し設定致しました。病院、薬局の薬剤師の方々の、今後のがん治療に対する薬学的管理の質向上と地域医療連携への参考となるような講演会を開催致しました。
冒頭は本間真人支部長にご挨拶を頂き、その後3名の先生方にご講演頂きました。
最初の講演は中川貴之先生(京都大学医学部附属病院 副薬剤部長・准教授)に「抗がん剤の副作用対策における基礎研究:末梢神経障害および口内炎の予防/治療法開発に向けて」という演題でお話頂きました。講演では、がん化学療法に伴う末梢神経障害の基礎知識と発生機序についてお話いただき、その後、その末梢神経障害に対する新たな予防・治療薬について基礎データをお示しいただきながらお話を頂きました。また、がん治療に伴う口腔粘膜炎に対する新たな予防・治療薬として半夏瀉心湯軟膏についてのお話も頂きました。
次に藤田行代志先生(群馬県立がんセンター薬剤部 薬剤課長)に「がん患者への薬学的介入の実践−エビデンスをもとにプロフェッショナルとしての介入を!−」という演題でお話頂きました。講演では、相互作用や肥満患者への薬学的介入の具体的症例についてお話いただきました。また、プロフェッショナルに求められる薬学的介入として、論文検索や患者の希望と臨床的判断のバランスの考慮などの重要性についてお話頂きました。
最後に室井延之先生(神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部長)に「地域につなぐがん薬物療法と薬剤業務のデジタルトランスフォーメーション」という演題でお話頂きました。入退院支援業務での薬剤師の役割として、周術期患者ならびに急性期医療への対応についてお話を頂きました。また、ニューリアリティでの薬剤師業務の展開について、タスクシフティングや薬剤業務のデジタル化などのお話も頂きました。さらに、神戸市立医療センター中央市民病院のがん薬物療法の取り組みについてもご紹介いただきました。
今回の講演会は、オミクロン株の急速な感染拡大により急遽オンライン開催へと変更となり、みなさまには大変ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした。一方で、オンライン開催により、関東支部各県の遠方の方々にもご参加頂く事ができました。
今回の講演で座長をお引き受け頂きました内藤隆文先生(信州大学医学部附属病院 薬剤部長・教授)、河田圭司先生(山梨大学医学部附属病院 薬剤部長)、外山聡先生(新潟大学医歯学総合病院 薬剤部長・教授)、ならびに関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
薬剤師向け研修講演会実行委員長 百瀬 泰行
(国際医療福祉大学薬学部 教授)
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