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この度、関東支部長を拝命しました田辺三菱製薬株式会社の北嶋と申します。30余年続いた平成から新元号に変わる歴史的にもインパクトのある時に薬学会で最大の支部を運営するという大役をお引き受けすることとなり、身の引き締まる思いです。
関東支部では大学・研究所・企業から執行部や各種委員がバランスよく選出され、それぞれの協力のもとに支部活動を継続して行い、活動内容の議論や修正の積み重ねが歴史となり、今日の支部活動になっていると感じています。大学院生、6年制学部学生の口頭発表・ポスター発表、大学、各種研究所及び企業研究者間の学術・情報交流、地域薬剤師との連携を積極的に進めるための支部大会および各種学術講演会から、卒後教育研修会等を通じて、薬剤師の学術的な研修の支援、「くすりと健康」に関する理解を深める目的で、市民を対象とした講演会などに及んでいますが、2019年度は以下のような企画を予定しています。
学術的な企画としては、支部会員に研究成果の場を提供する関東支部最大のイベントである「第63回関東支部大会」および若手研究者の企画による「第12回若手シンポジウム」(いずれも9/12 (土) 北里大学薬学部)を開催いたします。昨年度は企業研究者による発表も増えたという報告もありました。今年度も引き続き多方面の方々に参加していただくことを期待しております。夏には、病院・薬局に勤務する薬剤師を対象とした「薬剤師向け研修講習会」を(8/18 (日) ウエスタ川越)を開催します。また冬には「第44回学術講演会」(12/14 (土) 長井記念ホール)を開催する予定であり、日本が誇る研究領域である天然物合成と創薬に関する第一線の研究内容を取り上げる予定です。奨励表彰としては「関東支部奨励賞」の募集を本年も継続します。今年度は最大5件までの受賞者を増やすことを決定しました。これまでの基礎薬学および医療薬学に加えて臨床現場での活動や研究にも目を向けて、奨励賞にも反映させていきたいと考えています。優れた業績をあげた関東支部の若手会員(41才未満)に対して贈られる賞ですので、ホームページの募集要項をご覧いただき、奮って応募ください(応募締切5月末日)。受賞された先生方には関東支部大会での受賞講演もお願いしています。
一方、関東支部が長年に渡り主催してきました一般の方々を対象にした「市民講座」については、くすりと健康2019春季講演会(5/18 (土) 長井記念ホール)、秋季講演会(9/21 (土) 慶応義塾大学日吉キャンパス)を開催する予定です。また、小学生を対象とした「子ども実験企画」についても企画が進んでいます。今年度は東京都北区にある中外製薬(株)のご協力を得て、夏休み期間中に行う予定です。
近年の新薬の研究開発はがん・神経変性疾患・希少疾患などアンメットニーズの高い疾患領域に重点が置かれるとともに、創薬もモダリティも従来の低分子や抗体から、中分子、核酸、細胞治療、遺伝子治療、更にはデジタルメディシンと多様になってきました。一方で、ベッドサイドのニーズや診療報酬データ解析などからの新規適応症探索など、基礎研究からだけではなく医療現場からの創薬の可能性も注目されてきています。このような状況では、もはや製薬企業だけではなく、病院、アカデミア、異業種からのアイデアや技術も重要となってきており、これらを結びつける橋渡しが益々重要になっていきます。薬学会で最大の支部であるメリットを生かして新しい薬学の発展につながることも期待しています。
2019年4月
日本薬学会関東支部長 北嶋 浩
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