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日本薬学会関東支部・支部長に就任しました東京大学大学院薬学系研究科・衛生化学教室の新井洋由と申します。就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。
関東支部会は、日本薬学会会員の約半数を占めます最も大きな部局であり、その責務は非常に重大であると認識しております。とは言いますものの、昨年度本支部・副支部長を務めさせていただきましたが、年会参加を除いて日本薬学会の事業に暫く関わっておりませんでしたので、関東支部のみならず薬学会の活動、課題、将来、等を勉強させていただきながら、一年間ですが建設的な活動を行っていきたいと考えております。
今年度の活動計画は基本的には従来の活動を継承しておりまして、「関東支部大会」および「若手シンポジウム」(9/17(土))を東京大学薬学系研究科が担当、本郷キャンパスにおいて開催いたします。今回は第60回と区切りの年でもあり、例年以上に多くの会員の皆様の参加、活発な発表・討論を期待しております。「学術講演会」(11/19(土))は長井記念ホールにおいて開催いたします。薬系大学の無い・あるいは薬学部の歴史の浅い地方を中心に開催される薬剤師向け研修講演会(7/3(日))は、栃木県総合文化センターで実施いたします。薬剤師となられた方々の卒後の研修・研究活動の支援を目的としておりますので、是非ご活用ください。また、一般の方々を対象にした薬と健康を考える「市民講座」(5/14(土)、10/22(土) 長井記念ホール)と、若いころから薬学に興味を持ってもらえるように小学校高学年を対象とした「子ども実験企画」(7月 アステラス製薬・つくば市)を例年通り計画しております。薬学関係者のみならず、ご家族やお知り合いの方に声をおかけいただきますようお願いいたします。
薬学に対する国の期待とは裏腹に、関東支部も含めて薬学会は現在いくつかの課題があると認識しております。日本の高校3年生の人口は2020年には80万と予測されており、私(60歳になりました)の時代の3分の2になります。また国の債務も1000兆円近くになっております。こうした状況において、会員数の減少や研究資金の減少は薬学会だけの問題ではありません。それ以外にも若手ポストの減少や6年生と4年生教育のあり方など様々な問題がありますが、今後はこうした大学における教育・研究のみならず、薬剤師の地位向上、産業界における医薬イノベーションへの協力、さらには医薬政策における薬学からの提言、等様々な薬学発展に向けた取り組みをしていかなければならない状況であります。
平成18年に薬剤師教育6年制化が制定され、4年生博士コースの卒業者も輩出することになりまして、6年制教育も地についてきたように思います。こうした状況におきまして、大学間、大学と産業界、大学と官庁、大学と薬剤師界、等との交流を改めて活発化させ、お互いにそれぞれの状況を理解し認識を共有するとともに、建設的な協力的関係を築き、具体的な方策を外部に対して発していきたいと思っております。会員の皆様からも忌憚のないご意見やご提案をいただければ幸いに存じます。
最後になりましたが、日本薬学会関東支部長として支部学会活動の一層の活性化のために微力ながら努めてまいりますので、支部会員の皆様におかれましては、ご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
平成28年4月吉日
日本薬学会関東支部長 新井 洋由
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